NaRa x Yama-Bushi / Extra Quadrupel
麦雑穀工房工房さんとのコラボ Quadrupel の別バージョン。
ベースの Quadrupel は、雑穀さんでは設備的制約で難しいハイアルコールのベルジャンに挑戦するということで生まれたのですが、当初から、別バージョンも念頭にありました。
実は、ぼくらの自家栽培のブルーベリーやラズベリー、雑穀さんの山桃などといったフルーツをつかったものがイメージにありました。
ところが、Quadrupel 自体が、ぼくらの想定以上にいい感じに出来上がってきて、変な言い方ですが、フルーツでその個性を薄めちゃうのがなんだかもったいないなと思うように。
一方で、お互い、自分たちで直接 Farmhouse として農業に直接関わり、木樽なんかもつかったサワーエールを大瓶でリリースしている同士、そうしたビールをもっとたくさんの人に知ってほしいという気持ちを共有してもいます。
NaRa シリーズは、オークの大樽 フーダーでの熟成を経た、ぼくらでいう木樽熟成山伏的な位置付けです。
"麦雑穀工房ではフーダーと呼ばれる、木製(ホワイトオーク)の熟成タンクを使ったビールを造っております。ビール造りは人間の技術で効率的に管理しながら工業的に造るものという印象が強いですが一般的に管理しやすいステンレス製でなく、あえて木製タンクを使うということは回帰的であり人間が管理できない木が持つ菌の力や時間に任せるといった、コントロールできない部分が多くなります。管理が難しく汚染などのリスクを伴いやすいという側面もありますが、出来上がるまでの過程は他のスタイルのビールとは異なる年月を経て変化する期待と緊張感に溢れていて、オンリーワンの個性を皆様に楽しんでいただけるビールを目指してチャレンジ中です。長期熟成と木が持つ乳酸やタンニンとビールのバランスを味わっていただければと思っています。"
というわけで、別バージョンは、NaRa と 山伏のコラボにしたいというのは、自然の流れではありました
ちょっとしつこいですが、整理すると:
麦雑穀工房 x 志賀高原 / Quadrupel
NaRa x Yama-Bushi / Extra Quadrupel
ということです。
「お互いのバレルエイジのサワーを、Quadrupel とブレンドするのはどうでしょう?」
と、提案してみると、鈴木さんはすぐに快諾してくれました。
結局、雑穀さんの、3年熟成された超貴重なレッドエールと、うちの、同じく 3年以上、ワインとウイスキーの樽で熟成した、木樽熟成山伏 "red" の原酒を、つかうことになったのです。
テイスティングを繰り返し、ブレンド比率を決定。
当初思った以上に、サワーの比率が高いブレンドとなりました。
タンクでブレンドをして、瓶詰。
そしてボトルコンディション。
山伏のシリーズでも、サワーエール同士ではなく、こうして木樽熟成のものとそうでないもののビールのブレンドは初の試み。
仕上がりのイメージはもちろん想像していましたが、ブレンド後、さらに発酵がすすむわけで、実際どうなるかはやってみるまで完全にはわかりません。
瓶内での発酵はかなりゆっくと進み、最終的にカーボネーションが落ち着くまでに、およそ5ヶ月を要しました。
結局、約7ヶ月の瓶内発酵と熟成を経てのリリースです。
詳しい経緯は
こちら をご参照ください。(商品についている QRコードからも、こちらのページにアクセスいただけます。)
で、仕上がったのがこいつ。
11.5%。
色は、赤に近いアンバー。
豊かな泡立ち。
ブレンドにより、いまでの純粋なサワーエールにはない甘味が加わって、甘みと酸のバランスが特徴です。
イチゴや赤いブドウを想わせる果実味と相まって、ちょっと重厚な赤ワインのような味わいです。
ベースとなった Quadrupel の方は、より食後酒よりの仕上がりでしたが、こちらは食中酒として、食事と一緒にお楽しみいただけるかと思っています。
先週、OXBOW の Tim とマイケルと gonki さんに行った際に、無理言って持ち込ませていただいて一足先に一緒に飲んだのですが、こんな料理とは、まさに最高なのでした。
限定1650本です。
もうすでにかなりいい状態かと思いますし、ある意味このタイミングで飲んで欲しいと思う一方で、今後の熟成にもかなり期待が持てます。
今回も2本以上は買わないといけないやつです!?
とにかく20周年同志、木樽のビールに真剣に取組む者同士のぼくらがつくった渾身のコラボ。
ぼくらの期待以上の出来になったと思います。
どうぞよろしくお願いします。
容量: 750ml
アルコール分: 11.5%
ビアスタイル: バレルエイジド・ストロングエール
限定1650本